【秋華賞 G1】
今週は、牝馬クラシック最終戦の秋華賞。
過去、JRAでの牝馬三冠を成し遂げたのは、メジロラモーヌ、スティルインラブ、アパパネ、ジェンティルドンナの 4頭です。
今年の3歳牝馬戦線の主役はアーモンドアイですが、同世代の牝馬には、今回出走するラッキーライラックやカンタービレ、プリモシーンなどや、スプリンターズSで2着だったラブカンプーなど活躍馬も多く、層の厚い世代でもあります。
今のところ死角たるものが見当たらないアーモンドアイですが、強い競馬で牝馬三冠を達成できるのか、はたまた思わぬ刺客が現れ、三冠を阻止されてしまうのか、検証していきたいと思います。
また競馬予想で再三取り上げてきた「大一番でのルメール1番人気は危険」説、ここでも通用するのかどうかも合わせて見ていきたいと思います。
13日13:00時点での人気を見てみると、1番人気は、アーモンドアイ。2番人気がラッキーライラック、3番人気はカンタービレとなっています。
一桁オッズがアーモンドアイ1頭(しかも 1.1倍)ということからも、皆さん三冠達成は堅いと思われているようです。
※出典:©netkeiba.com
オッズだけを見るとかなり偏った感じになっており、18頭中単勝万馬券が7頭もいる出走メンバーになっています。
ちなみに、今年の春から私のイチオシであるプリモシーンですが、現在7番人気と、古馬相手の新潟記念を制した割には、低評価な印象です(勝ったとはいえ斤量51kgだったからかなぁ)。
◆そんなプリモシーンを予言していた!?記事はこちら
過去の勝ち馬の人気は?
過去10年の勝ち馬の人気を見てみると、1番人気が勝ったレースは3回、連対したレースは4回と、1番人気の信頼度はまずまずといったところです。
ここ2年では、3番人気と4番人気の決着となっており、1番人気は3着すらなっていないることからも、人気通りに決まる可能性は五分五分のようです。
ちなみに10年前の2008年では、ブラックエンブレム(11番人気)が勝ちましたが、11番人気ながらも単勝オッズは29.9倍と、今回のメンバーでみると6番人気にあたります。
以下は過去10年の勝ち馬のオッズと、そのときの1番人気のオッズと着順です。
・2008年 11番人気:29.9倍(1番人気:3.6倍、10着)
・2009年 2番人気:3.2倍(1番人気:1.8倍、3着)
・2010年 1番人気:2.3倍
・2011年 2番人気:3.1倍(1番人気:2.2倍、3着)
・2012年 1番人気:1.3倍
・2013年 3番人気:5.2倍(1番人気:3.3倍、4着)
・2014年 3番人気:10.1倍(1番人気:1.5倍、2着)
・2015年 1番人気:3.0倍
・2016年 3番人気:6.3倍(1番人気:2.5倍、10着)
・2017年 3番人気:6.3倍(1番人気:3.6倍、7着)
突出した1番人気(オッズ1倍代)の成績を見てみると、いずれも馬券圏内であることがわかります。
また、今年のように一桁オッズが1頭しかいないという例は過去ありませんが、一桁オッズが2頭の年は、2009年と2012年と2014年があり、特に2012年のジェンティルドンナが勝って三冠達成した年は、非常に似ている傾向であるといえます。
前走レース
圧倒的に優位になっているのが、ローズステークス組み。実に過去10年で馬券圏内100%となっています。
もちろん、その年の有力馬がステップとして選ぶレースですので、おのずと結果に結びついていることは間違いありません。
それでも2016年以外は、連対をしていることからも、ローズステークス組みを予想から外すことは考えにくいと判断します。
今年の出走メンバーでローズステークス組みは全部で7頭おり、以下が出走馬とローズステークスでの成績です。
・カンタービレ 1着
・サラキア 2着
・ラテュロス 3着
・ゴージャスランチ 4着
・オールフォーラヴ 9着
・スカーレットカラー 13着
・トーセンブレス 15着
ちなみに、過去10年でオークス馬が秋華賞へ直行して勝った馬はなく、馬券圏内にもいません。
オークス馬が直行したケースで言えば、2008年のトールポピー(秋華賞10着)のみで、いずれの年もステップレースを使っていました。
今年のオークス馬アーモンドアイには、辛いデータになりそうです。
脚質
過去10年を見てみると、逃げ切った馬はゼロ。4角の通過順は、2番手から9番手にいた馬が勝ち馬となっていることからも、先行馬または差し馬が優位といえます。
また、2着に入った馬の多くが4角で10番手以降の馬であるという点も注視しなければなりません。
過去10年の4角時点で勝ち馬よりも前に位置して、2着に粘った馬は、2012年のヴィルシーナのみでした。
つまり、もしアーモンドアイが今年の秋華賞の勝ち馬であるならば、相手は4角で、アーモンドアイよりも後ろに位置している馬であることが濃厚なわけです。
馬番別成績
過去10年で3着までに入った全30頭の馬番別成績で、1~7番までに入っていた馬は17頭、8番より外の馬は13頭おり、出走頭数により誤差はありますが、やや内有利と出ています。
基本的に内外の差はないといえます。
前走馬体重
前走プラス体重で出走した馬の8割は、秋華賞を勝っており、7割は3着以内に好走しています。
つまり、ステップレースとして前哨戦に出走した際は、プラス体重だったということです。
更に前哨戦でプラス体重であり、かつ秋華賞でもプラス体重だった馬は複勝率が高く、秋華賞でマイナス体重だった馬は勝率と連対率が高いという傾向がみられます。
いわゆる「成長分」の馬体重を計る意味でも、春先から馬体重が増えていない、または同じ場合には、非常に馬券に絡む可能性が低くなりそうです。
騎手成績
過去10年の騎手成績では、
関東所属【1-2-0-**】
関西所属【8-6-9-**】
外国人【1-2-1-**】
ちなみに、関東馬と関西馬での成績は、
関東馬【2-2-3-**】
関西馬【8-8-7-**】
という結果になってます。
どちらのデータでも関東よりも関西に軍配が上がっています。
種牡馬成績
京都芝2000m(内)での成績ですが、やはりディープインパクトが少し抜けており、次いでハーツクライやハービンジャー、ルーラーシップが上位にいます。
今回のメンバーでディープインパクト産駒は以下の 8頭。
・オールフォーラヴ
・カンタービレ
・サトノガーネット
・サラキア
・トーセンブレス
・プリモシーン
・ミッキーチャーム
・ラテュロス
Cルメールの取捨
1番気になる点はここ!
大一番でのルメール騎手の信頼度を検証してみました。
まずは振り返りとして、昨年の人気と着順についてはコチラで確認していただきたいと思います。
さて、今年のG1(芝のみ)での人気と着順は下記を参照してください。
・高松宮記念 騎乗無し
・大阪杯 騎乗無し
・桜花賞 2番人気( 1着)
・皐月賞 2番人気( 4着)
・天皇賞(春) 6番人気( 8着)
・NHKマイルC 1番人気(12着)
・ヴィクトリアマイル 5番人気( 7着)
・オークス 1番人気( 1着)
・日本ダービー 6番人気( 8着)
・安田記念 9番人気( 1着)
・宝塚記念 1番人気( 6着)
・スプリンターズS 7番人気(13着)
現在リーディングを突き進むルメール騎手ですが、G1での1番人気に応えての優勝は、オークスのみで、これは昨年も同じでした(G2やG3では人気に応えることの方が多い)。
正直アーモンドアイが2番人気になることはありませんので、これをどう捉えるのかは難しい選択ではあります。
まとめ
- 1番人気の信頼度はまずまずだが3番人気以内であれば勝率は高い
- ステップレースはローズステークス組みを狙う
- 勝ち馬の4角通過順は9番手以内
- 2着馬は追い込みが多い
- 枠の有利不利は考えなくてよい
- 前走馬体重はプラスの馬の成績が良い
- 関西馬、関西所属騎手の成績が優秀
- 京都芝2000mではディープインパクト産駒が強い
- やはりG1での1番人気ルメールは消す!?
ということで、以下のように至りました。
《結論》
◎サラキア
〇アーモンドアイ
▲プリモシーン
△カンタービレ
△サトノガーネット
本命は、サラキア。
いろいろと悩んだ結果です。現在5番人気ということで、これが3番人気であれば、もう少し自信の本命にしたのですがw
とはいうものの、やはりローズステークス組みを信頼したいのと、前走から馬体重がプラスであること、それにディープ産駒に加えて、関西馬で関西騎手ということから、データ的には推す理由が多いことが決め手です。
もちろんアーモンドアイは桁外れに強いのは間違いないのですが、何か起こるとしたらこの馬ではないかという気がしてなりません。
レース展開的としては、ランドネ、オスカールビー、ミッキーチャームあたりが引っ張り、ペースもやや早くなりそうで、差し馬には良い展開と考えます。
また、前走から再び池添騎手に戻ったのもプラス。1頭だけ抜けたオッズのときって、結構荒れることが多いのも期待のひとつです。
対抗にはアーモンドアイ。
やはり何と言っても、力差は歴然である以上推さないわけにはいきません。
ただし、関東馬かつG1での1番人気ルメールは危険説をもってすれば、これでも優遇した配慮と言っても良いのかなと思います。
全くそんな説は関係なく、ぶっちぎりで優勝するか、着外で凡走するかのどちらかとも思えますが、血統的な条件からオークスは危ないと囁かれていながら、あのパフォーマンスですのでどの位置からでも力は発揮できる気がします。
中間の調教も抜群に良かったですし、普通に考えれば圧勝となるでしょうが、本当に凡走するパターンを考えるならば、京都内回りの多頭数で器用に立ち回れなかった場合だと思います。
3番手評価にはプリモシーン。
アーモンドアイ同様に、関東馬(しかも関東所属騎手)ということで、人気から見ても低評価な状況です。
前走の関屋記念では、1600m戦かつ斤量51kgと恵まれた状況下で勝ちましたが、それでも古馬相手の競馬で収獲も多かったと思います。
この秋で大成するであろう一頭と思ってますので、ここでも押さえておきたいと思います。
4番手評価はカンタービレ。
何と言っても調子の良い武豊騎手が手綱を取るのは心強いです。
人気も3番人気でローズステークス勝ち馬、しかもディープ産駒と好条件は多く、期待が持てます。
やや気がかりなのは、休養明けで前走がマイナス体重だったこと。秋華賞当日の馬体重がマイナスだった場合は、予想から外すことも視野に入れておく必要がありそうです。
最後は、サトノガーネット。
18頭中18番人気と大胆すぎる予想。
むしろ18番人気は評価低すぎないか?と思うほどです。
前走で500万下を勝利したばかりですが、休み明け+22kgで快勝し、確実に成長している証と思います。
また関西馬でディープ産駒もプラス材料。タイムは平凡ながらも、まだまだ未知数なところもあり、注目してみたい一頭です。
さて、前回のG1スプリンターズステークスでは、ファインニードルとラブカンプーで決まりました。
まぁ秋初戦の馬券を獲れたことで、幸先の良いスタートとなったわけで、調子乗って秋華賞も当てたいと思います。
それにしても、アーモンドアイが馬券圏外となったら恐ろしいことになりそうですね…。穴狙いな人には楽しみな一戦となるかもしれませんw